松本英聖著 「二十一世紀の医学革命へ」 (1995年刊)より
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第六章、自然医学に近づく世界の流れ
ーー「病は善=浄化作用」への価値観の転換を ーー
食毒の満杯で大量死の可能性
十年ひと昔と言うが、アルマーアタ宣言が可決されてから、すでに十七年目になる。
この間に日本ではガン死が国民死因の第一位となり、心臓病が第二位に躍り出た。
そして西暦二手年にはガンが現在の二倍になることが確実視されている。
率直に言って、これでは〝病なき世界″どころか、〝病だらけの世界″が到来するわけで、一体アルマ・アタ宣言はどうなっているのだと問いたくもなるが、これが文明世界の実情であり、暖衣飽食をほしいままにする現代肉食文明の末路でもある。
では、二十一世紀の文明社会にはどのような病気が待ち受けているのか、その予測から紹介しよう。
日本における医療行政の権威者であり、日本政府代表としてアルマーアタ会議に出席した大谷藤郎博士(当時厚生省医務局長)が過去のデータから予測した二十一世紀の病気をもとに筆者の見解を加えてまとめたものが、次の五大文明病である(表参照。
③は筆者の見解)。
※ 図表略
①心臓・血管病(心臓病・脳卒中)
②ガン
③免疫病(アレルギー・自己免疫病・免疫不全症=エイズ)
④精神病
⑤先天奇形
いかがであろうか。
いずれ劣らぬ難病ばかりがずらり。
まさに病気のオンパレードだが、中でも超ウルトラCのニューフェースはエイズ。
米国公衆衛生局主席医務官のタープ博士は今世紀末には一億人がエイズで死ぬという予測を発表、全世界にエイズーパニックがかけめぐった。
エイズ問題は後章で詳しく取り上げるのでこれ以上は触れないが、とにかく今世紀末までに得体の知れない病気で大勢の人が大量死するような、大恐怖時代が到来する可能性は決して少なくないのだ。
この問題について、森下敬一博士(国際自然医学会会長)は次のように警告している。
「現代人はおしなべて美食飽食による食毒が体内に溜まり切っているばかりか、長年の薬物使用から来る体の免疫異常が目立ってきた。
たとえてみれば浄化槽が満杯になった状態だ。
そこでちょっとした異物、例えば花粉、ダニ、ウイルスなどに接触すると、それが引き金となって全身の毒素がいっぺんに吹き出すことになる。
エイズがその典型的なもの。
そこでこのような一触即発の状態にある人々が社会に溢れ、誰か一人がおかしなことになると将棋倒し(連鎖反応)に次々と毒素が吹き出して手のつけようがなく、ハタハタと大勢の人々が倒れて大量死する可能性が充分に考えうる。
このとき、いまの医学は手の施しようがないから、日頃から食事を正して体をオーバーホールし、溜まり切った毒素を抜き取っておくよう心掛けておくべきだ」
何とも恐ろしい話だが、実は世界の三大宗祖-―釈迦(法滅尽経)もイエスもマホメットも、そしてこれに続く他の預言者たちも、表現こそ違え一致して世界の大破局(最後の審判)と、その後に地上天国(弥勒の御代)が出現することを二手年も前からハッキリと宣言されているのだ。
そしていま、世界の大勢は科学的データに基づいて、「医薬に頼らず正しい食事で健康づくりを!」と呼びかけ、二十一世紀に向けて医学の大転換が始まっている。
筆者は、こうした一連の世界情勢をふまえて、いまこそ西欧文明の崩壊期(最後の審判期)であると確信し。
「天国は近づけり、汝ら悔い改めよ!」というイエスの御言葉を現実の声として受け止めている。
ともあれ歴史の流れに逆行する者は滅び、三大宗祖の教えに背く者は裁かれる運命にある。
そこで、このような筆者の歴史観と時代認識に立って、二十一世紀に予測される五大文明病についての見方、考え方を自然医学の立場からアプローチを試みてみよう。
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一九七七年に米国で『食事目標』を設定
心臓・血管病は現代文明社会における最大の死病であって、日本でも死因の第二位(心臓病)と第三位(脳卒中)を占め、両者を合計すると全死因の三九%となり、第一位のガン死(二四・六%)を大きく引き離している。
この現代最大の死病については、一九七七年にアメリカ上院・栄養問題特別委員会において、その原因が現在の食生活による食原病であることが明確となり、この時点でハッキリとした対策路線ーー心臓病死を半減させることを当面の目標とする『食事目標』が示され、国民一人ひとりの自覚と責任において正しい食事改善をするよう呼びかけた。
この内容については、拙著『松本英聖・医事論集第一巻』(食と生命)を参照されたい。
ともあれ、心臓・血管病対策のポイントは。
医薬に頼って生命を落とすか、食事改善で健康づくりをするか″そのいずれかを選ぶかということに尽きる。
要するに、心臓・血管病は日頃の美食飽食が招いた結果であり、謂わば自業自得であるから、食事を改めない限り、絶対に助からない。
美食飽食で血液が汚れ、その汚れが血管に溜まってサビついた状態が動脈硬化であるから、まさに身から出たサビ。
しかもこのサビは、美食飽食によって必要以上に取り込まれた余分な栄養分を処理するために、天の配剤でできた生理的マンホールーーつまり、自然の血管浄化装置と見るべきであって、このお陰で何十年間も無事に生き延びることができたのであるから、むしろ天の恵みに感謝こそすれ、これを悪魔呼ばわりすることは筋違いも甚だしい。
悪魔の張本人は、美食飽食をほしいままにした自分自身であるから、文句は言えないはずである。
にもかかわらず、現代人はこの理に気づかず医薬に頼って自分勝手な我が儘(美食飽食)をどこまでも押し通し、挙げ句の果ては脳溢血や心筋梗塞を自ら招いて、あたら生命を落とすことになるわけだ。
要するに、我欲の果てが心臓・血管病であるから、自然理を悟り、神の掟に従って食事を正しくすること。
これが心臓・血管病から解脱する唯一の道である。
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