以前紹介したことのあるHPでしたが、いつの間にか消滅していました。
それがunexpected(ひょんの)ことから発見したweb上の魚拓です。
内容に、いまでもビックリする人がいるかと思いまして・・・ギョ拓にしました。
2004年(平成16年)が最終更新となっていましたので、今から約十二年前の話ですが、現在においても貴重な論文だと思われますが、その後の状況の変化もありますので、最終的な取捨選択権は、もちろん!貴方にあります。
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それでもあなたは医者を信用しますか?
ようこそ「医療の大疑問」 のサイトへ。
最終更新日 2005年2月1日
https://web.archive.org/web/20050228095921/http://www12.plala.or.jp/kusuri/page2.html#5
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2.凶器と化した薬
4.免疫・自然治癒力の正体とはたらき
5.薬害の本当の犯人とは?
4. 免疫・自然治癒力の正体とはたらき
免疫や自然治癒力は、言葉こそよく耳にするわりには、一般に軽視される傾向があります。
しかし、さまざまな悪条件のなかで、私たちがそう簡単に病気にかからないのは、それらが正常に働いているからにほかなりません。
たとえば私たちの体内では、毎日、数千個から数万個ものがん細胞が出現しています。
にもかかわらず、そうやすやすと発病しないのは、免疫にかかわる白血球の成分であるNK細胞が、がん細胞を見つけだし、殺してくれているからです。
現代医学は免疫のメカニズムがまだよくわからないため、病気と症状とを明らかに混同しています。
そして薬で症状が消えると、それで病気が治った、あるいは治せると錯覚しやすいわけです。
いや、げんにそのように信じているのです。
症状というものは、免疫や自然治癒力が働いていることの証しです。
つまり症状は、体を正常な状態に戻そうとしている一時的な現象(いわゆる自然療能の発露)だと捉えるべきで、それを病気そのものと誤って解釈するから、薬という概念が必要になってくるのです。
また、バクテリアやウイルスなどの病原体が、外部から人体に侵入してきて病気を引き起こす(現象の見誤り→第四章で解説)という考えから、まだ仕組みがよくわかっていない免疫に頼るより、手っ取り早く病原体を退治すればいい、このような論理が、次から次へ新しい薬品を開発する大義名分ともなっています。
しかし、新しい薬品ができるたびに薬剤耐性菌が増殖し、病原体とのいたちごっこになり、際限のない闘いを強いられる、それを繰り返しているうち薬品の純度が強化され、正常な細胞にますます大きなダメージを与えることになります。
医薬品メーカーは、「副作用をなるべく軽減する研究や努力もしている」などといっていますが、そんな矛盾したことができるはずがありません。
純度が高い、つまり効き目が強い薬は、副作用も強くなることは避けられないのです。
その明白な事実を何とか隠すために、難解な理論をでっち上げたり、いい繕ったりしているのが実情です。
こうして現代医学は問題をかえって複雑にし、取り返しのつかない迷路に足を突っ込んでしまっているわけです。
それもこれも、やはりもとをただせば、人体の基本構造を理解していないことに起因しています。
ようするに造血の仕組みがわからない、すると病気の原因が体内にあることに気づかない、けっきょくは原因を外界に求めざるをえない、という悪循環です。
前章でご説明した食物=血液=細胞、これが体の生理構造の基本中の基本です。
それを医者や医学者が知らない、これはじつに由々しき問題です。
紛れもない事実ですから、ぜひご自分でお確かめください。
血液と細胞は別のものとして、切り離して考える現代医学は、同じ分割思考パターンによって、赤血球と白血球も別のものと考えています。
じつは、この二つは同じものです。
誤解のないように正確にいいますと、赤血球から白血球が誕生、生成されるのです。
この事実は動かぬ証拠として、森下博士によってカラーフィルムに撮影され、記録されています。
白血球は、「流動」、「分割」、「発芽」といわれる三つの方式で赤血球から新生され、それがさらに顆粒白血球とリンパ球に変化していきます。
リンパ球とは、赤血球の細胞質から核が独立したもので、それを新たな細胞膜が包んだものが顆粒白血球です。
これを知らない現代医学は、白血球は骨髄で、リンパ球はリンパ腺で作られるなどと、苦し紛れに事実に反することを平気で主張しています。
そのために、つまり血液の生成や分化という連続相を分割して見ているから、白血病の正体がわからなかったり、がんの発生のカラクリもわからないわけです。
じつは、白血病は白血球の、がんはリンパ球の、それぞれの細胞が病変することから引き起こされるものです。
免疫とは、白血球(つまり顆粒白血球とリンパ球)の成分である好中球、マクロファージ、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、B細胞などが、それぞれ"警備"、"捕獲"、"戦力増強"、"抗体ミサイル"などと称される役割を果たし、それらを統合して異物や細菌や病原体を攻撃し、殲滅するというものです。
この免疫システムが正常に働くことによって、がん、白血病に限らず、その他の慢性病にもかからないよう体が防衛されるのです。
たとえば風邪を引くと熱が出ます。
発熱は代謝レベルを上げますから、ひどく体力を消耗させ、しんどいものです。
しかし、発熱は免疫の正しい反応と見なければなりません。
なぜなら、体温が上がると白血球が増えやすいからで、それは直ちに免疫力の強化につながります。
つまり発熱という現象は、体内の不純物(異物や病原体など)に対処するための態勢を整えているシグナルなのです。
また、しんどくて食欲がなくなるのは、体が余計なエネルギーを消費しないよう、中枢神経へ命令が出ているからです。
体を動かしたり、内臓が消化や吸収をおこなうにも、多くのエネルギーを必要とします。
そういう活動をすべて一時的にやめ、不純物や体内で発生した病原体との闘いに全力を傾けるために、これらの不快な症状が現れる、このように判断するのが正しいわけです。
このとき、解熱剤や抗生物質を服用するのは、まさに愚の骨頂です。
せっかく免疫が働いて風邪の原因を撃退しようとしているのに、無理やり熱を下げて代謝レベルまで下げてしまい、その当然の結果として体の抵抗力を奪い、免疫の邪魔をする、これでは風邪の根本原因を除去できないのは、あまりにも自明の理です。
そればかりか、薬の副作用のせいで、別の症状や病気を引き起こす危険さえあります。
とくに抗生物質は、大切な腸内細菌を殺すため、おなかの調子がおかしくなったりします。
すると今度は胃腸薬が必要となってきて、それがまた別の副作用を引き起こす、こうして薬漬けの悪循環が始まることになるのです。
医者は風邪に対しては、必ずといっていいほど解熱剤や抗生物質を処方します。
これがいかに誤った処置であるか、もう説明の必要はないでしょう(解熱剤や抗生物質では風邪は治らないのは実証済み)。
だから風邪を引いても医者へ行ってはいけない、薬を飲んではいけない、この道理、もうおわかりですね。
「では風邪を引いたとき、どうすればいいんだ?」という声が返ってきそうなので、絶対安全で、しかも100%風邪が治る方法をご紹介しましょう。
まずその日は絶食し、寝床に入ってじっと体を休めます
部屋を暖め、熱があれば、タオルを水に浸して額に乗せます。
タオルが暖かくなったら、また水で絞ります
脱水状態にならないよう、水分(白湯がいい)をこまめに補給します。
かんきつ類の果物を少量食べます
就寝前に、少量の味噌にねぎとしょうがをみじん切りにして加え、これに熱湯を注いで飲みます
咳、鼻水、頭痛などの症状があっても我慢して、薬は飲んではいけません
これでぐっすり寝て、翌朝目を覚ませば治っているはずですが、万一治らなければ、もう一度同じことを繰り返せばいいのです。
遅くても、二、三日で治ります。
薬の誘惑に負けると、かえって病気そのものがこじれてしまって、本当の意味での回復が長引くことを、ぜひ知ってください。
血液生成の話に戻って、このプロセスを一元的に見ることによって、免疫の健全性は、つまるところ赤血球の質的レベルによって決まる、だからその赤血球の材料になる食物が、いかに大切かということが明らかになりました。
一方、生体の防衛に不可欠のエネルギーである自然治癒力は、細胞が正常な代謝を行うことによって生み出されます。
こうしたことから、免疫も自然治癒力も、その大元になっているのは血液と細胞であり、両者が互いに関連しあって、合目的的に生体を維持していることがわかります。
その過程において、一つの物質が別の物質に分化(変化、発展するという意味の専門用語)したり、またもとの物質に逆戻りしたり、分化の途中のままであったりと、たえず変化、流動を繰り返しながら、ときには一時的な休止状態の様相を示すこともあります。
固定的で排中律的な現代医学は、この流動的な生命現象の、ある特定の瞬間の様相だけを見て解釈しようとするため、移行状態にある中間相を見落としがちです。
たとえていうなら、白と黒との間の灰色の部分を軽視して、白と黒という、現象の明確なポイントだけを峻別する志向性があるわけです。
しかし、じつは生命現象の灰色の部分にこそ、しばしば因果関係を知る上で、重要な秘密が潜んでいるのです。
免疫細胞の生成過程や活性化なども、その灰色の部分でめまぐるしく展開されているため、現代医学がなかなか気づかなかったのも当然であり、やっと最近になって、安保教授らによってその仕組みが解明されたことは、現代医学にとって、まさに僥倖だったとしかいいようがありません。
こんな言い方は、安保教授に失礼に当たるかもしれませんが・・・。
しかし現時点では、免疫理論が医学界ぜんたいに浸透するまでに至っていないことから、免疫をよく理解し、その知見を臨床現場で活用する医者は、きわめて少数派です。
いわんや自然治癒力については、その実態は何もわかっていないのが実情なのです。
以下、自然治癒力についてご参照ください。
細胞はその一つ一つが呼吸をしています。
細胞が呼吸をすることによって、有機物を単純な化学構造の物質、つまり水や炭酸ガスに替えていく、その過程でエネルギーが生み出される、という仕組みです。
細胞が健全な呼吸ができないと発酵現象を起こし、これががん細胞などの腫瘍や、炎症に発展していく可能性があります。
そして、この細胞の代謝に不可欠なのが酵素です。
現代医学は、酵素は何万種類もあって、すべてを解明するのは現実に不可能であるとしていますが、正味の働きという観点からすれば、酵素の種類は、ほんの二、三であることがわかっています。
じつは、ピレマーという化学者が、血液中にプロバージンという酵素を発見し、これがあらゆる物質にたいして代謝作用を促進することを突き止め、この酵素を『非特異的生体防衛酵素系』と命名しているのです。
また、ピレマーが発見したプロバージンのほかに、組織中に余分な過酸化水素が発生するのを阻止し、細胞の正常な代謝を助ける、カタラーゼという酵素の存在も確認されています。
じつは、これらの物質こそ、自然治癒力の正体だったわけですが、この呼吸酵素というのは大変デリケートなもので、化学物質に触れると必ず阻害されます。
薬、つまり化学薬剤のすべて、ダイオキシンなどの環境ホルモン、農薬、食品添加物、体内で発生する活性酸素などは、呼吸酵素を確実に破壊します。
これらのことは現在、すでに生化学や分子生物学の分野では常識になっているにもかかわらず、現代医学はその事実にそっぽを向き、認めようとしないのです。
また酵素には、その働きを活発にするマグネシウムイオンの助けが必要とされています。
マグネシウムは植物や野菜に広く含まれるミネラルで、とくに野性味の強い薬草、つまりハーブに豊富に含まれています。
病気の原因は病原体だとする現代医学には、このような知識もなければ、関心さえありません。
そのため、植物に含まれるミネラルが、自然治癒力という、細胞のエネルギーを生み出すうえで重要な役割を果たしているなど、夢にも思うはずがないわけです。
アンドレボーザンという農学者は、「人間の体は土と一体である」(身土不二)という有名な言葉を残しています。
アンドレボーザンは、土壌の質を研究するうち、農薬、特にカリ肥料を使用すると、農作物からマグネシウムが抜け落ちることに注目した結果、土中のミネラルバランスが狂うと、野菜や植物のミネラルバランスも狂うことがわかったのです。
生産効率最優先のバイオや農薬によって、ビタミンやミネラルの含有量が激減していることが、農水省の実験テストで判明しました。
これら微量栄養素の欠乏が慢性病を引き起こす誘因になることは、もう30年以上も前に、分子矯正医学によって実証されています。
病気になってから薬で対症療法を行うのではなく、病気を未然に防ぐための、こうしたより本質的な病気対策に、国や医学界は率先して取り組むべきだと思います。
しかし国や医学界にはそのような動きは一向になく、依然として薬の普及や販売促進、とくに新薬の開発にますます力を入れているのが現状です。
これでは、本当の意味での国民の健康など、露ほども考えてはいないといわれても仕方ないでしょう。
いやむしろ、国民を騙していると思われる節さえあります。
最近、「病気を予防しましょう」と、医学界や厚生労働省が、マスコミを通してさかんに呼びかけていることは、たぶんお気づきだと思います。
しかしこれを聞いて、「なるほど、それは大切なことだ」と思うのは、ちょっと人がよすぎます。
なぜかといいますと、国や医学界の合言葉を実践するため、大半の医者が薦めるのは、人間ドックや定期検診だからです。
とにかくこまめに体を検査して、悪いところを早く発見しようというのですが、これは予防ではないのです。
予防と早期発見とは、意味がぜんぜん違います。
その違いは、ちょっと冷静に考えれば、一目瞭然ではないでしょうか。
病気が早期に発見できたからといって、その時点で、すでに病気が発生していることには変わりありません。
つまり、人間ドックなどで予防できるのは、病気がさらに悪化することだけなのです。
それになにより、予防が的確にできていれば、早期発見など、する必要はないのです。
一方で病気の予防を叫び、一方で人間ドックの普及に力を入れる、これは目的と手段が完全に矛盾した、いとも無責任な言動といわざるをえません。
こういいますと、予防対策は個人的にするのは困難だとか、予防しているつもりでも、万一ということがあるから、早期発見は必要であるという意見が出てきますが、そういった考え方は、じつはある種の錯覚が原因となっています。
詳しくは次章で説明していますが、ここではとりあえず、病気(慢性病)は治療できないものであること、早期発見のための検査は、ほとんど無意味であることを申し述べておきます。
そもそも現代医学は、病気予防にかんする明確な学問体系を持っていないことから、医者は本気で、病気が予防できるなどと思ってはいません。
第一、もし人々が病気予防に真剣に取り組み、みずからそれを実践し、その結果、病人が激減するようなことになれば、医者は開店休業に追い込まれ、その存在価値もなくなるわけで、病気予防という観念は、医者の本音と矛盾するものであることは明らかです。
人間ドックについては、それ自体が信用できないものであることを、どうしても知っておく必要があります。
たとえば、早期発見のつもりがすでに手遅れだったケースや、「異常なし」と診断されたにもかかわらず、数ヶ月もたたないうちに死亡したというケースはざらにあります。
がんが"早期発見"されたときには、がん細胞の数は、すでに10億以上にもなっているのが普通です。
また、急性心不全で死亡した人の約6割が、人間ドックで調べたときの心電図では異常なしと診断されていたなど、考えられないような事実がひんぱんに報告されているのです。
5. 薬害の本当の犯人とは?
危険で不要な医薬品(95%以上)の製造をなぜ禁止できないのか、第三節で少し触れたつもりですが、じつは、もっと根本的な理由があるのです。
それは、国の薬務行政が禁止を断行する立場にない、もっとはっきりいえば、国が、医学界や医薬品メーカーと「グル」になっているということです。
グルとは言葉が悪くて申し訳ありませんが、事実ですからそういうしかありません。
日本医師会や、医薬品メーカーからの政界への献金は莫大な政治資金になっており、そのために政治家は、医師会や医薬品メーカーのいうことに、はっきり「ノー」とはいえないのです。
その結果、国民の命さえ顧りみない権力構造が生まれ、それが因襲となって、悪循環が繰り返されることになります。
その生々しい実態は、数年前に、毎日新聞社・社会部から出版された「厚生省の『犯罪』」という本に詳しく書かれていますから、ぜひお読みになることをお勧めします。
いうまでもなく、権力構造をめぐる利権は、医薬品の売り上げによって生じるものです。
ということは、問題の根本を解決するには、国民が医薬品を買わなければいいわけで、私は、国民が「薬の不買運動」を起こすことを提案したいのです。
これは同時に薬害からの自己防衛にもなり、一石二鳥の効果をもたらすことになるのではないでしょうか。
厚生労働省の許しがたい体質については、第四章5節でも改めて取り上げます。
薬の怖さをもっとおわかりいただくために、前章でご紹介した『医療ミス』のなかの薬害の実例と、それについての解説をここに転載させていただきます。
1. 74歳の女性が一昨年、胸椎の圧迫骨折で入院した。
退院後に痛みを訴え続けたため、痛み止めのロキソニンが一日3錠処方された。
8ヶ月飲み続けたところ、胃に穴があいて吐血し、血液が器官につまって窒息死した。
【解説】 ロキソニンやアスピリンは痛み止めによく使われる「非ステロイド系消炎剤」で、解熱剤や血栓予防としても用いられる。
副作用として、胃・十二指腸潰瘍や消化管出血がある。
New England Journal of Medicine(アメリカで最も権威ある医療ジャーナル)によると、この薬剤による消化管出血で死亡する人は毎年16,500人にのぼる。
人口が半分の日本では、単純計算で8,000人となる。
非ステロイド系消炎剤を服用する場合、この種の事故は不可避である。
ロキソニンは、医家向けの解熱鎮痛剤では売り上げがトップであり、この種の薬害は数多く発生している。
本件の場合、胃に穴があく前に、おそらく腹痛を訴えていたはずである。
それを聞いていたら、医者は薬を中止すべきだったわけで、そうでなければミスがあったといえる。
ロキソニンよりやや安全なアセトアミノフェンがあるが、量が増えると肝不全が発症するという問題がある。
アスピリンやロキソニンと比較すれば安全という程度だ。
世の中にまったく安全な薬は存在しない。
したがって事故防止のためには、ある程度の痛みは我慢するという方策も考える必要がある。
2. 50代の女性が顔や首に発疹が出て痒みがあったため、近くの皮膚科医院で受診し、塗り薬をもらった。
この軟膏をつけるとよくなるので、疑いもせずほとんど毎日使い続けた。
ところが一年たったころ、顔の皮膚がただれはじめ、みるみるお化けのようになってしまい、結局仕事も辞めざるをえなくなった。
国立病院の皮膚科にいくと、「薬の副作用です。
その軟膏を使うのをやめなさい」といわれた。
この軟膏にはステロイドが入っていて、長期間、しかも顔などに使いつづけるのは非常識とのこと。
べつの薬を処方され、皮膚ケアの方法も指導してもらい、少しずつよくなっているが、すっかり治るには一年以上かかる。
【解説】 話だけからは、最初の発疹が何であったか不明である。
アトピー性皮膚炎が発症した可能性もある。
ステロイドは本来、人の細胞が分泌しているホルモンで、生体の生存に不可欠の物質だ。
その類似物質を合成して飲み薬、注射薬、座薬、軟膏などにしたのがステロイド製剤である。
その効き目は顕著で、膠原病、気管支ぜんそくなど、多くの病気の診療はステロイドなしでは考えられない。
その反面、長く続けると誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、糖尿病、消化性潰瘍、膵炎、精神変調、うつ、痙攣、骨粗しょう症、大腿骨および上腕骨の骨頭無菌性壊死など、重大な副作用が生じる危険性がある。
ステロイドは効き目が顕著なため、医者も患者もなかなかやめられなくなりがちで、かつては、危険性の認識なしに処方を続けた皮膚科医がたくさんいた。
現在でも危ない使い方をしている医者が少なくないので要注意だ。
3. 85歳の男性が腹痛と下痢で受診したところ、感染症といわれ点滴をうけたが、その直後に死亡した。
鎮痛剤も使われていたが、どんなことが考えられるか。
【解説】 ふつうは腹痛と下痢で死ぬことはない。
点滴の直後というから、薬によるアナフィラキシー・ショックが生じたのだろう。
いわばアレルギー反応の劇症型で、いろいろな薬で生じるが、純粋な輸液成分だけでは生じない。
何かの薬が入れられていたはずだ。
本件では感染症と診断されているところから見て、点滴には抗生物質が入っていたのではないか。
鎮痛剤というのは、おそらくロキソニンや、やはり非ステロイド系消炎剤のボルタレンなどだろう。
ショックがおきると血圧が低下し、呼吸しなくなるが、的確な対処によって救命できる。
ただし一刻を争うので、そばに医者がいないと難しい。
したがって、抗生物質などショックを起こす可能性がある薬剤を点滴するときは、担当医はしばらくそばにいるべきである。
本件ではナースが点滴して、医者がそばにいなかった、医者はいたけれども、対処法を知らなかったなどの可能性がある。
そもそも細菌による感染でなければ、抗生物質は効かない。
腹痛と下痢の場合、ウイルスによるものがほとんどで、かりに細菌性のものでもふつうは輸液だけで十分である。
抗生物質を使うと腸内細菌が死滅して、べつの細菌がはびこる可能性がある。
したがってこの男性は、不要な治療のために死亡した可能性が高いといえる。
4. 2歳9ヶ月の女児は先天性の心疾患を持っていたが、ふつうの生活を送っていた。
ところが風邪をひいて二日目に、近所に小児科でセファメジンなどの点滴をうけた日に、容態が急変して死亡した。
【解説】 セファメジンは抗生物質なので、前のケースと同じくショックが起きた可能性がある。
ただ点滴直後に生じたのではないようで、それから考えると抗生物質が原因ではない。
風邪に非ステロイド系消炎剤を使う医者が多いので、それによるショックも考えられる。
5. 3歳の男児が日本脳炎の予防接種をうけた翌日の夜明け前、40度あまりの高熱を出してうわごとをいいはじめた。
救急病院へ運び込んだが、嘔吐や痙攣を起こしているのに1時間も待たされ、簡単な診察と投薬(痙攣止めと解熱剤の座薬)だけで、入院は断られた。
自宅へ戻っても熱は一向に下がらず、手足は冷たくなり、うわごとを頻繁にいうようになった。
午前11時に再び救急車で病院へ向かったが、途中呼びかけても返答がなく、意識はなくなっていた。
病院で人工呼吸器をつけるなどしたが、午前4時過ぎに死亡、死亡診断書には「ライ症候群」とあった。
【解説】 日本脳炎の予防接種後には、39度以上の発熱が時々みられ、脳炎や脳症が生じることもある。
本件では予防接種のあと、べつの薬を使ってないとすれば、最初の高熱や痙攣は予防接種によるものだろう。
ではライ症候群とは何か。
ライ症候群の原因は種々の有害物質で、なかでも非ステロイド系消炎剤によるものが一番多い。
ボルタレンのような強力な非ステロイド系消炎剤は、大人が鎮痛目的で使用した場合にもライ症候群を起こすことがある。
発熱時に解熱目的で非ステロイド系消炎剤がよく使われるが、子供はもともと脳組織が未成熟なうえ、熱の影響で脳組織が弱っているだろうからライ症候群になりやすい。
ライ症候群になると、重症度にもよるが、おしなべて3割程度が死亡し、生存者の半数に脳神経系の後遺症が生じる。
そういった理由から、子供の発熱には解熱剤をなるべく使わない。
使うとしても、比較的安全とされているアセトアミノフェンを使うというのが世界の常識になっている。
しかし、日本の医者たちにはこの常識が欠けている。
本件でも解熱剤が使われているが、おそらくボルタレン座薬で、それでライ症候群が生じたのである。
この子供に座薬が使われたのは、北関東の県庁所在地にある県の救命救急センターだから、よその医療機関の状況はおして知るべしである。
本題に戻って、免疫や自然治癒力は、血液と細胞の働きによるものです。
ですから健康を維持する大原則は、その原料である食物への十分な配慮と同時に、症状をいちいち気にして薬に頼らないことです。
できれば、薬とはキッパリ縁を切るべきです。
重ねて強調しますが、薬は免疫を低下させ、自然治癒力を破壊する作用をもっているのです。
薬で病気そのものが治るなどということはまずありえませんし、それどころか、逆に病気を作り出す原因となる可能性のほうがはるかに高いのです。
こういった薬による『治療医学』、つまり『対症療法』の問題点や限界について、先述の安保教授はつぎのように述べています。
「抗生物質や抗がん剤に加えて、消炎鎮痛剤、ステロイドホルモン、制酸剤、血圧降下剤、精神安定剤など、多くの薬剤の開発競争が続いている。
薬の開発は、おもに化学や薬学の純粋なサイエンスの力でなされるので、医学の進歩より薬の進歩のほうがはるかに早い。
たとえば、化学物質は基本構造を一定にしたままで、側鎖を変えると作用が変化するので、研究所で大々的な開発が進められる。
開発された薬は対症療法の大きな力となり、使われ続ける。
降圧剤や向精神薬などがとめどなく処方され、対症療法がどんどん進歩していく。
じっさい医療の現場では、仕事に疲れた中高年男性や、肥満や運動不足の中高年女性、そして精神的に悩める多くの男女が、病気になって外来に列をなしている。
また多くの老人たちが、仕事で通勤でもしているかのように病院に通っている。
どこの病院の待合室にも長い行列ができている。
医者は、遅くても昼の1時か2時までには外来を終えたいので、患者からろくに病状やいきさつも聞かないで、すさまじい勢いで薬を処方し続ける。
大病院の場合はこれに多くの検査が加わる。
とても患者から病気の成り立ちを聞きだす暇はない。
働きすぎの猛烈サラリーマンが、毎日何時間、どのような仕事をどうがんばってしているのか聞き出すこともなく、ただ症状にあわせて、降圧剤など数種類の薬が処方される。
しかし血圧は下がっても、仕事量を減らすアドバイスはしないから、患者はやたらと疲れて元気がなくなり、さらに体調を崩すことが少なくない。
このように、薬剤が進歩すればするほど、対症療法の力が増し、原因を無視した治療に磨きがかかる。
現代医学が破綻し始めている理由の一つは、薬の進歩に、病気の本質を知る考えが追いついていないことにある。
医療内容が確実に悪化していく危険性をはらんでいるのである」
それでもなお薬に頼ろうとする人が多いのは、薬を飲むと一時的に症状が収まったような気がして、それをつい、「病気が治っている兆し」と錯覚してしまうからです。
しかしじっさいは、それは単に、脳細胞を麻痺させる薬理効果(冒頭に説明した神経伝達をブロックする作用)にすぎないもので、決して病気が治っているわけではありません。
これさえよく理解すれば、安易に薬を求める習慣はやめられるのではないでしょうか。
ただし急性症状が起きた場合、発作や激痛を止めるための, 特殊な鎮痛剤の一時的な使用はやむをえないでしょう。
急性疾患の問題については、次章でご説明します。
ーーーーーーーーーーーー引用終わりーーーーーーーーーー
つづく